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ブラックなSF短編集-イヴのいないアダム-

イヴのいないアダム アルフレッド・ベスター

ブラックでシニカルなSF短編集でした。

「ごきげん目盛り」
所有しているアンドロイドが殺人を犯し、男はアンドロイドと共に逃亡生活をする。
男はアンドロイドに自分を投影し、男の意識とアンドロイドの意識が混ざり合っていく……。

話として完成されていて、とても面白いお話でした。

「願い星、叶い星」
男の子が書いた作文には、恐るべき能力を持つ子供達のことが書かれていた……。

“トワイライトゾーン”にこんな話があったような。
面白かったです。

「イヴのいないアダム」
男は、灰となった世界を這い続ける。彼は海を探していた。

切ない話でした。手塚治虫の“火の鳥”を思い出しました。

「地獄は永遠に」
殺人を犯した男女5人は、悪魔によって、それぞれが望んだ世界に送られる。
それは永遠に終わらない地獄だった。

5人が経験する地獄が、それぞれ個性的で面白かったです。
でも、かわいそうだなぁ。


タグ: SF
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古風な怪奇小説-魔女王の血脈-

魔女王の血脈 サックス・ローマー

ロンドンに住む医学生、ロバート・ケルンは、白鳥の不審死を目撃する。
幼馴染のフェラーラの部屋を訪れたロバートは、フェラーラが白鳥の像を暖炉に投げ込むのを見て、ある疑いを抱く……。

古風な怪奇小説で、面白かったです。

怪しい美青年フェラーラは次々と周りの人を毒牙にかけていき、ロバートも何度も命を狙われます。
そして、フェラーラの魔の手は、ロバートの愛する人にも……という王道のサスペンス。

途中で、舞台はエジプトに移動し、エキゾチックで怪しい光景がくりひろげられます。

解説によると、ラヴクラフトがこの作品を褒めているそうなのですが、
ピラミッドの狭い通路を這って進む場面とか、ラヴクラフト好きそう^^;

グロテスクな描写はないので、そういうものが苦手な人でも楽しめる本だと思います。

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戦後初のSF長編小説-光の塔-

光の塔 今日泊亜蘭

宇宙軍医官の水原は、火星から地球に帰還した。そして、地球上の全ての電気が数十秒間消えるという
“絶電現象”に遭遇する。更に、放射性物質の盗難、宇宙船の盗難と奇妙な事件が相次ぐ。
それらは、謎の生命体による地球の侵略戦争の前触れだった……。

とーーーーっても面白かったです。




ネタバレあります。




光を放射して、全てを破壊する“光の塔“。
人類による攻撃は全然効かず、このまま人類は滅んでしまうのか……。

謎が謎を呼ぶストーリーですが、最後にちゃんと種明かしがされるのがよいです。

敵の正体が明らかになった時、深い悲しみが胸を満たします。

登場人物に悪人がいないのがよかったです。
敵でさえも、愛おしい。

「飛車」や武器などの小道具も、自然にストーリーに溶け込んでいました。
(山手線はこうすれば自動運転にできるんだなぁと思いました。)

1962年に出版された本なのに、全然古さを感じませんでした。

タグ: SF
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日本SFの長老-海王星市から来た男/縹渺譚-

海王星市から来た男/縹渺譚 (創元SF文庫) 今日泊 亜蘭

浅学にして今日泊亜蘭さんのことを存じ上げなかったのですが、
とーーーーっても面白いSF中短編集でした。

「奇妙な戦争」
突然富士山を破壊した宇宙船。
宇宙船は夢のように現れて、地球を攻撃しては去っていく。
彼らの目的とは……?

宇宙船の謎が解けて一件落着かと思ったら、実は……という展開が面白かったです。

「海王星市から来た男」
地球が水に覆われていく。
そして、密室で博士が失踪した。
地球の運命は……?

失踪した博士の行動が泣かせます。
孤児三人の関係性が感動的です。

「縹渺譚」
孤児の私は、優しいおばあさんに引き取られた。
おばあさんの娘は、幼い時に神隠しに合っていた。
彼女が孤児院にいた少女だと気づいた私は、彼女を探して旅に出る。
幼い頃に聞いた声に導かれるままに……。

途中で話は、王朝時代に飛ぶのですが、
折口信夫の「死者の書」を思い出しました。

最後のどんでん返しが、予想外で面白かったです。

「深森譚」
私は脱獄囚を探して、「死の森」に入った。
そこで見たものは、人類の存亡にかかわるものだった……。

「縹渺譚」の続編で、「縹渺譚」の登場人物が出てくるのですが、
まさかその人が○○だったとは……。

途中、江戸川乱歩っぽいなと思ったら、いきなりSFに変わります。

「浮間の桜」
警部補と怪盗“緋の鷹”の知恵比べ。

“緋の鷹”がかっこいいです。口が悪すぎですが^^;
最後は感動しました。

こんなに面白い作品を書く人がいたんだーというのを知って、嬉しかったです。
長編の「光の塔」も読んでみようと思います。

タグ: SF
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すぐそこにあるディストピア-ザ・サークル-

ザ・サークル デイヴ・エガーズ

世界最高のIT企業「サークル」に就職したメイ。
スタイリッシュな社屋、無料のカフェテリア、週末のパーティー、優秀な社員(サークラー)……。
メイの未来は明るいはずだったのだが……。

面白かったです。
読後感はあまりよくなくて、考えさせられるお話でした。

全体主義の監視社会、ディストピアが生まれるまでのお話です。

メイはお客さんの問い合わせに答える仕事に就くのですが、
それだけでなく、サークルのイベントに参加してSNSに写真を載せたりコメントを出したり、という活動も要求されます。

面倒くさいなぁと私だったら思いますが……。

メイは成功と失敗を繰り返しながら、サークルにのめりこんでいきます。

安価で簡単に設置できる「シーチェンジ」という監視カメラ、
子供の骨に埋め込むマイクロチップ……。

出てくるテクノロジーには便利そうだなと思う物もありました。
どこまでが良くてどこからが悪いのかという線引きは難しいですね。
全て善意から生まれたテクノロジーだし……。

“善意”というのが一番怖いのかもしれないと思いました。

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女王の苦難-白金の王冠-

白金の王冠 レイ・カーソン

夫が亡くなり女王になったエリサ。宮殿内では命を狙われ、民衆は暴動を起こす。
エリサは、力の源、ザフィラを探しに、仲間と南に旅立つ。

「炎と茨の王女」に続く第二巻です。
面白かったです。

権謀術数が多め、冒険は少なめでした。

ザフィラでのエリサの決断は、立派だなぁと思いました。
最初は敵だった人と仲間になる展開も面白かったです。

第三巻が気になる終わり方でした。

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日本の名作ファンタジー-はなはなみんみ物語-

はなはなみんみ物語 わたりむつこ

双子の小人、はなはなとみんみは、父のたけび、母のひいな、白ひげじいさんと一緒に、巨木の中で幸せに暮らしていた。
「小人大戦争」の生き残りである彼らは、自分達以外にも生き残った小人がいることを知り、仲間に会うために家族で旅立つ……。

とっても面白かったです。
児童文学の傑作、名作ですね。

大人が読んでも深いお話です。

小人大戦争で使われた武器は、核兵器のことなんでしょうね。
もう二度と使わないと決めていた武器を使ってしまったことへの贖罪……が、白ひげじいさんのああいう行動になったのでしょう。

悲しいシーンもありますが、
出てくる食べ物(くるみパン、きなこ汁、たんぽぽ茶、ささのは茶)がおいしそうで、
空を飛ぶシーンはワクワクして、とにかく面白いです。

娘がもう少し大きくなったら読んでほしい本です。

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少女の成長を描いたファンタジー-炎と茨の王女-

炎と茨の王女 レイ・カーソン

オロバジェ国の第二王女エリサは、砂漠の国の王に嫁ぐ。
臍にゴッドストーンという宝石を帯びて生まれたエリサは、神に選ばれた者として育てられたが、
自分の使命をまだ知らなかった……。

とても面白かったです。

エリサは、食べるのが好きで太っています。
王女で太っているというのは、珍しい設定ですね。
誘拐されて砂漠に連れてこられて、少しスリムになりますが。

エリサは、勇敢で頭がよいのですが、自分の体型や優秀な姉へのコンプレックスを抱えています。
そんなエリサが、親しい人の死や戦争の悲惨さを経験し、大きく成長していくところが見どころでした。

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一族の繁栄と衰退-財産家 フォーサイト家の物語-

財産家 -フォーサイト家の物語 ジョン・ゴールズワージー

イギリスに住む上層中産階級のフォーサイト家の人々。
老ジョリオンの孫、ジューンと、建築家ボシニーの婚約が決まったが、幸せそうなジューンとは逆に
一族の面々は不安を抱いていた。
やがて、ソームズの妻であるアイリーニとボシニーの不倫関係が明らかになる……。

とても面白かったです。

財産のことばかり気にしている人間への文明批判っぽいところもありつつ、
個性的な登場人物の織り成す人間模様が素晴らしかったです。

ソームズ、アイリーニ、ボシニーの誰が悪いと、はっきりは言い切れませんが……
まあ、一番悪いのはソームズかな。気持ちが離れてしまった人をいつまでも縛りつけるのはよくない。
かわいそうではありますが。


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人気キャラクターの共演-フェイスオフ 対決-

フェイスオフ 対決 デイヴィッド・バルダッチ編

大物ミステリー作家が二人一組で短編を共作。しかも、人気キャラクターが作品内で共演、
という贅沢な短編集でした。

日本でいうなら、三毛猫ホームズと十津川警部が共演するような感じ、かな。

読んだことがない作家さんもいたのですが、
各短編に「まえがき」があって簡単な紹介がされているので、
読みやすかったです。

ミステリー好きな方にお勧めです。

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